「おひとりさま」がいま急増していいます
未婚、離婚、死別、核家族…「おひとりさま」予備軍が減ることはありません
「おふたりさま」(高齢者夫婦)のうちから準備しておくことや、自治体の支援なども必要であり
また、自分は「おひとりさま」に当てはまるのか?「おひとりさま」予備軍ではないのか?など
自分のためにも周りの方のためにも、早めに意識し情報を知っておくことがとても大切になってきます
「おひとりさま」の現状や、なぜ増えているのか?を知ることで、親や自分が「おひとりさま」になる可能性はないか?などを意識しながらご一読いただければと思います
「ひとり死」が当たり前の社会に
「おひとりさま」の理由は、生涯独身、離婚、死別など人それぞれです
それらの要因を見ていくと「おひとりさま」は今後ますます増えていくことは明らかです
厚生労働省の国民生活基礎調査(2021年)によれば
65歳以上の者で構成されている高齢者世帯のうち単独世帯は742万世帯
その構成比は男性(35.7%)女性(64.3%)
男女別に年齢構成を見ると85歳以上は男性(12.7%)女性(24.3%)
長生きの女性は必然的に「おひとりさま」(独居高齢者)になることが多くなります(図参照)
50歳の未婚率は2015年の国勢調査で男性(23.4%)女性(14.1%)
これまでの未婚化、晩婚化のながれが変わらなければ2030年には男性(28.0%)女性(18.5%)と予測されています
50歳代の未婚シングルは10年ほどで「おひとりさま」の仲間入りとなります
今の高齢者は兄弟のいる方が多いが、50代~60代はひとりっ子も少なくない
家族や親族に頼れない「おひとりさま」が加速的に増えることになります
もちろん婚姻件数も減少していて
1970年代前半は約100万件を超えていたが2019年には約60万件にまで減っています
離婚件数も2002年の約29万件からは減ってはいますが、まだ約21万件もあるようです
死亡者数も増加傾向で2015年には131万人。2040年には推計で167万人に及ぶとみられています(図参照)
配偶者との死別も「おひとりさま」急増の大きな原因です
高齢者の核家族が進み、子供がいてもそのまま一人で暮らす高齢者も大変多いからです
「おひとりさま」の予備軍「おふたりさま」
国民生活基礎調査によると「65歳以上の夫婦のみ」の世帯は742万世帯で、「おひとりさま」予備軍ともいえる「おふたりさま」の世帯は「おひとりさま」と同じくらいのボリュームがあります
普通に考えると、高齢のご夫婦で同じ趣味を持ち仲睦まじく暮らしているとお聞きすると、とても素敵なご夫婦と思いますが、実際のところ熟年離婚の危機のあるご夫婦よりも「おひとりさま」になった時に危険な状態になることも少なくないようです
なぜなら、生活が一変してしまうからです
なので、二人元気なうちにやっておく終活にも最近勧められていることがあります
「別々の趣味を持つ」「フルではなくてよいので仕事をする」「同じ価値観を持つ人とつながりを持つ」などしてそれぞれの活動領域を作っておくことです
特に家のことを妻にまかせっきりにしていた男性ほど、一人になると力を無くして何もできなくなるとのことです
私自身すごく、よくわかります
突然連れ合いに先立たれこれまでの日常が崩れる
一緒に死ぬことは普通はできませんので、必ずそんな日がやってきます
多くの高齢者が一人で生きることを余儀なくされ「ひとり死」が当たり前の社会になる
そういう方向に流れています
「おひとりさま」が将来に不安を意識するとき
「おひとりさま」が将来の不安を強くし始めるのはどんな時でしょうか?
病気がちになり要介護が近づいてきたころとおっしゃる方が多いです
「万が一のとき、誰かに気づいてもらえるだろうか?」
「死んだ後の葬儀や墓のことは誰に頼めばいいのか?」など
ご心配は尽きません
死んだ後のことは知らないでは済まされません
ご遺体の引き取りや部屋の片づけなどで、会ったこともない聞いたこともない遠い親戚に連絡が行き、どんな迷惑をかけるかわからない
遺体もそのままにしておけない
墓地埋葬法では引き取り手がないご遺体は地方自治体の費用で火葬・納骨することを求めています
費用は1遺体当たり約25万円かかり、税金が当てられます
最近は「おひとりさま」の終活サポートに取り組む自治体が増えています
引き取り手のない無縁遺体として処理されるかたが年々増えていっているという事情があるからです
周囲に迷惑をかけず、人生を最後まで有意義に生きるためには生前から「どんな準備をしておけばよいのか」「自分には何ができるのか」を知っておくことが大事です
金銭的な余裕があれば、自分の意思を代理執行してくれる専門家やNPO法人、民間企業などが「おひとりさま」をサポートしてくれる時代にはなっています
家族の代わりに身元保証人になったり、死後の手続きをしてくれたりします
ただし、それなりの費用は掛かります
まとめ
相続に関係する複数の方が指定されるのは、共通の趣味や近所付き合いなどを通して作るネットワークの重要性です
血縁が無くても多少の迷惑はかけられる間柄を作っておくことが「おひとりさま」の終活で最も大事なことということです
自分でネットワークを作ることができず、経済的な余裕もなければ自治体の終活サービス、地域包括支援センターなどの活用も視野に入れていただけたらと思います
有償無償とわず、自分の意思を託す相手を見つけるには元気なうちに早めに行動することが大切です
ここまで読んでいただきありがとうございます
「もう少しこんなことを聞きたい」とか「そもそも誰に相談してよいかわからない」などございましたら気軽にご連絡いただき、お話しできればと思います ご連絡・お問い合わせはこちら