中小企業オーナーが心配な事業承継。今注目されている対策とは?!

Aさんは社員10人ほどで町工場を経営している社長です
社長自身も社員も高齢化し後継者はいません
Aさんの家族は自宅で一緒に暮らす奥様と会社勤めで別で暮らす長男です

Aさんの財産は、自分で経営する工場の法人のすべての株と個人で持っている工場の敷地(建物は法人所有です)と自宅と預金です。

Aさんも高齢になり病院に通うことも増え、工場の廃業と家族の行く末が心配になって、そのバックアップに「家族信託」という対策があることを聞き検討したいとのことでした

Aさん一家はどんなことが「できると助かる」のか?

Aさん一家はどんなことが「できると助かる」のか?

①工場を閉鎖する途中にAさんが認知症になってしまったり、亡くなってしまった場合でも、長男が計画を継続できるようにしておく
Aさんに何か起こっても代わりに判断する人・・・代わりに株主総会を開いて決議できる人を作っておきたい

②工場の跡地を有効利用できる、Aさんが認知症になってしまっても、法人解散から工場敷地の有効利用とそれに必要な借入まで長男がおこなうことができるようにしておく

③Aさんの財産を長男の名前に変えても贈与税を払う心配が無いようにして、安心して財産の管理ができるようにしておく(※法人と個人の間の課税関係以外)

④Aさんにとって工場の閉鎖から跡地の有効活用、さらに奥様の老後の生活の面倒まで長男と一緒に考えられる状態にしておく

「そりゃそんなことができればいいけど…、そんな虫のいい話あるわけないやん」

といううお声がまたまた聞こえてきそうですが、実はできるのです
①~④を現実に可能にし、すでに活用されている対策があるのです

それが“一人暮らしの年老いた母が心配!!認知症や家、お金の管理どうする?!”でもお伝えしました「家族信託」です

簡単にいうと上記①~④ができるように親と子の間(家族間)で契約(信託契約)をするというものです

Aさんの持っている、不動産(自宅・工場敷地)と自社法人の株と預 金の大半を、「家族信託」を使って長男の名義に変えて、長男に管理してもらう。また、当初信託から利益を受ける権利をAさんが持っていて、Aさんが亡くなったら奥様につなげる契約にしておく。

その「家族信託」奥様がなくなったあとはどうなる?

その「家族信託」奥様がなくなったあとはどうなる?

①Aさんと奥様が亡くなった後で長男が財産を承継する契約なので「遺言」ではできない連続した承継策を検討することができます

②AさんとAさんの奥様がそれぞれ亡くなった時点で「相続税」の課税が発生しますが、「家族信託」契約時に「配偶者の税額軽減」「小規模宅地の特例」「債務控除等」の税務上の検討を計画しておくので最小のコストで承継策を実行できます。

③万一「長男がAさん夫妻より先に亡くなってしまった場合」に備えて長男に代わる受託者も連続させることが可能ですし、信託の残余財産の帰属者も長男がいない場合の帰属者を指定しておくことができます

そのほか「家族信託」が役立つケース!!

上記では
④「中小企業オーナーの事業承継のため」に家族信託を活用をお話ししました

そのほかにもいろいろなケースで「家族信託」の活用が役立っています
「家族信託」をうまく活用することで解決できる問題に幅が格段に増えています

①「実家の管理と親の生活費とうの管理のために家族信託を活用」
②「不動産オーナーの事業承継のため」に家族信託を活用
③「障がいを持ったお子様の財産管理にため」に家族信託を活用
⑤「共有名義の不動産を効率的に活用するため」に家族信託を活用
⑥「再婚を機に財産管理を明確にするため」に家族信託を活用
⑦「ペットが寿命を全うするため」に家族信託を活用

など…、また他にも

「父も母も財産少なく、成年後見人も考えたが専門家の方に払う費用が毎月の費用が毎月2万円~6万円の報酬が必要で、一度付けたら一生やめられないとのこと、ギリギリの老後の蓄えしかない両親には無理だ」

「親の財産のほとんどが不動産で、放っておくと兄弟の共有名義になり、有効活用も売却もできなくなる」

「代々うちの家計は家督相続の考えで不動産を相続してきたが、長男である自分に子供がいないため兄弟に継がせたい。でも自分の妻の生活は守ってやりたいがどうしたらいいか?」

などなど、こんな問題にもかなり役に立つ対策の一つが「家族信託」です

まとめ

ここまでご覧いただき「家族信託」が様々な相続や認知症、事業承継などの問題解決に役だつ対策であるのはお判りいただけたと思います

ただ改めてもっと詳しくお話しできればと思いますが、やはりメリットがあればデメリットもあります

そのひとつに、かなりの専門的な知識とノウハウや経験を要するため、手がける専門家がまず少なく経験値の高い方は相当絞られます

「家族信託」ができるとうたわれている専門家でもレベルに大きな差があり「家族信託契約をつくる」だけ、それもしっかりと家族やご本人のご希望に沿っていない内容だったり、契約後のサポートはなかったりといろいろです

頼れるところはなかなか少なそうだが、今回記事を読んでいただいてご自身のご家族にとって「家族信託」ぜひ考えたいとうちにはこの方法が必要だ、思われる方も多いと思います

ぜひ早めにご検討されることをおススメいたします

ただ「誰に相談したらいいかわからない」「自分で探すのは難しい」「もっと詳しく知りたい」などございましたら、お気軽にお問い合わせください。少しでも安心出来たりお役に立てることができれば幸いです
お問い合わせは→こちら

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。

この記事を書いた人

吉政和彦

吉政和彦

大学卒業後、商社及び外資系金融機関に勤務。
2019年、会社経営者らに「会社や個人にトコトンお金を残す専門家」として、財務・税務・相続等のコンサルティングを行うa-office YOSHIMASAを開設。現在、ニーズの高まりを受け、相続コンサルティングに力を入れている。「相続の通訳」という立ち位置で、相続に強い士業など専門家と連携。相続税、遺産相続、実家の空き家対策など、相続全般に関する悩みや不安の解消をサポートしている。