「事業承継対策」3つのポイント

そもそも「事業承継対策」ってどんなことをすればいいのか?何を引き継げばいいのか?などもわからないし、一歩を踏み出せない、というお声をよくお聞きします

事業承継は、単に社長を交代することと思われる経営者も少なくありません

イメージしていただけるとよいのですが、今、経営者(あなたが、親が)が何らかの理由で丸1日、1か月、1年不在で連絡が取ない状態があるとすると、会社は問題なく運営できますでしょうか?

それぞれの期間で、運営続けられるかどうかは異なるのではないでしょうか?もし、この状態がいつまで続くかわからない、となるとどうでしょうか?

そんなことは、まずあり得ないことかもしれませんが、100%ないとは言えませんね(亡くなられる以外にも、事故にあった、大病になった、認知症になられた、…など)

その時に
「何が問題になるか?」
「誰がどんなことを知っていないといけないのか?」
「いつどこにいくら支払うのか?」
「お客様との付き合いはどうするのか?」
「給料は払えるのか?もらえるのか?」
「当面は誰が指示出すのか?」
など、考え出すときりがありません

こんなことがいきなり起こって対応できるか?できないか?が、会社継続に大きく影響してきます
日々の事業運営で、目の前を乗り越えるのが大変であればあるほど、余計に突発的に経営者の機能がストップしたら、誰も何も守ることができません
そうならないために、事業承継に向けて準備をしておく「事業承継対策」しておく、それが突発的な危機にも対応できる強い企業体質づくりにもなります

「事業承継対策」を考えるうえで、まず「継ぐ」べきものがなにか?がわかれば、どう対策をすればよいかも見えてきます

事業承継とは「何を継ぐ」ことなの?

中小企業の経営者の多くは、経営者自身の個性や・リーダーシップによって事業継続しているとともに、大半の自社株や事業用不動産などを保有されています

大きく二つ①「経営そのものの承継」②「自社株や企業用資産などの承継」を後継者に継がせることが「事業承継」です

「経営理念」や現経営者の「経営ノウハウ」など目に見えない財産を引き継ぐ①「経営そのものの承継」
具体的な経営権などの権利や義務、経営資産など目に見える財産を引き継ぐ②「自社株や事業用資産等の承継」

一般的には「事業承継」というと、一番には②「自社株や事業用資産等の承継」にスポットが当てられます
この自社株や事業用資産は、民法上の財産になります
そうなると、この資産を継がせるに当たっては、相続や贈与の問題も大きく関連するため、切り離して考えるわけにいきません

上記のように、事業承継で何を「継ぐ」のか?がわかると、どういう対策が必要になるか?がわかってきます
また、同時に①「経営そのものの承継」②「自社株や企業用資産などの承継」のいずれもが、半年や1年の単年短期間で承継できるものではなく、少なくとも5年~10年など中長期かけて対策を行う必要があるということも見えてきます

期間をかけて対策するにあたり、考えるべき「事業承継対策」のポイントを見てみましょう

「事業承継対策」で考えるべき3つのポイント

Point①「後継者対策」
「後継者を誰にするか?」というう後継者の決定と、「どうやって経営者に相応しく育てていくか?」という後継者育成の2つの問題があります
さらに、後継者を決定する際に、経営者自身の勇退の時期も決めておくことが大事で、いつまでに後継者育成をどこまでやるか?など決める大きな要素になります

Point②「自社株対策」
「だれがいくら自社株をもっているのか?」という株主と保有割合の把握、「どうやって後継者に自社株を集中させるか?」というう経営権確保という2つの問題があります

Point③「相続対策」
「後継者対策」や「自社株対策」には大変時間がかかります
しかし、「相続」は待ってはくれないのです
そのために「財産の分割」の問題、「相続税納税」の問題を、できるだけ早くに事前に、あるいは同時並行しておかなければなりません

まとめ

この記事では「事業承継対策」ってどんなことをすればいいのか?何を引き継げばいいのか?
にたいして、大きく二つ①「経営そのものの承継」②「自社株や企業用資産などの承継」を後継者に継がせることが「事業承継」であり、次にどういう対策が必要になるか?がわかってきました

「事業承継対策」の3つのポイント
Point①「後継者対策」後継者の決定(=経営者自身の勇退時期をきめる)
Point②「自社株対策」株主と保有割合の把握、後継者への集中
Point③「相続対策」早期での財産の種類とおおよその財産額の把握、納税と分割対策

「事業承継」の対策として、上記のような対策が必要で、それぞれが「どんなものか?」「中長期での対策となるため、早めの取り組みが必要だな」ということなどが、ご理解いただけたと思います

「事業承継対策」の3つのポイントを考えるにあたり、必要な要素など別の機会にお伝えしたいと思います

もし、ここまでご覧いただいて、ちょっと聞いてほしい、教えてほしいと思われる方、たとえば
事業承継対策について
「事業承継対策が必要なことが分かったけど自分で1から考えるのは難しい」
「そもそもうちは、事業承継どこからはじめたらいいの?」
「自分よりも高齢の親の持ち株の方が多い、事業承継対策期間が取れないのでは?」
「個人の財産と事業用の資産との考え方や、計算ができない」
「親族が多くて、後継者候補も決めにくい」など、ご自身で判断がつきにくいことも多いと思います。
まず、一人で考え答えを出すのは、大変なご苦労と時間がかかり、その上、結果、間違った対策になると何をしていたかわかりません

ひとりで抱え込まず、お近くやお知り合いの専門家に早めのご相談をおススメいたします
もし、なかなか相談できる先がない、そもそも知ってる専門家居ない、顧問の先生には話しにくいなどでお困りの場合は、まずお問い合わせからご連絡いただき、当事務所で聞いてほしいことや知りたいこと、不安なことやお困りなことなど気軽に話しに来てください。

この記事を書いた人

吉政和彦

吉政和彦

大学卒業後、商社及び外資系金融機関に勤務。
2019年、会社経営者らに「会社や個人にトコトンお金を残す専門家」として、財務・税務・相続等のコンサルティングを行うa-office YOSHIMASAを開設。現在、ニーズの高まりを受け、相続コンサルティングに力を入れている。「相続の通訳」という立ち位置で、相続に強い士業など専門家と連携。相続税、遺産相続、実家の空き家対策など、相続全般に関する悩みや不安の解消をサポートしている。